汗疹(あせも)
どんな病気?
 「あせも」とは正式には「汗疹(かんしん)」と言い、名前の通り汗によって生じる発疹です。 汗を大量にかくと、汗を皮膚の表面まで運ぶ狭い導管が詰まります。 この導管にたまった汗が、周辺の組織を刺激することで起きる皮膚の炎症反応が「あせも」です。

 あせもには、2種類あります。
  1. 紅色汗疹(こうしょくかんしん)
    赤い「あせも」で、かゆみや炎症を伴います。「あせも」の中で最も多い症状で、 汗をかきやすい乳幼児や子どもにできやすいです。小さな水泡がたくさんできて、 中心に小さな膿を持つこともあります。皮膚の角質より深い部分に汗が溜まった場合に起こります。
  2. 水晶様汗疹(すいしょうようかんしん)
    透明な「あせも」で、かゆみを伴いません。皮膚の浅い部分に汗が溜まると起こります。 小さく透明な発疹がたくさんできます。数日で、自然に治ります。  
子どもは汗をかきやすく皮膚が弱いため、「あせも」になりやすいです。
「あせも」を放っておいたり、掻きむしったりして細菌感染を併発すると、汗腺炎(かんせんえん)や汗孔周囲炎(かんこうしゅういえん)、 伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん=とびひ)、膿痂疹性湿疹(のうかしんせいしっしん)などを起こすことがありますので、早めの治療が必要です。
こんな症状があらわれます
たいていは、かゆみを伴う湿疹が出ます。汗をかきやすい部分に多く、頭の後ろ、首、脇、膝や肘の曲がる部分などによく見られます。
こんな検査で診断します
視診、患者様とのお話で診断します。
こんな治療法があります
「あせも」は自然治癒するものですが、常に汗をかく環境下では、一旦治っても再発を繰り返します。
かゆみが強いときには、ステロイド外用薬を塗ったり、
抗ヒスタミン剤などのかゆみ止めを内服します。
自分でできる! 「あせも」の予防法
 
  1. なるべく汗をかかないようにする。
    エアコンや除湿器を上手に使って、温度と湿度を調節しましょう。
  2. 汗をかいたら、すぐにシャワー。
    シャワーをすぐに浴びられない場合、タオルなどで汗をふき取るだけでも効果があります。
  3. ボディーパウダーや制汗剤を使う。
    皮膚を乾いた状態に保つことで、「あせも」は抑えられます。
  4.  赤ちゃんには特に注意。
    赤ちゃんは、大人の2〜3倍もの汗をかくと言われています。温度・湿度に気を配り、通気性の良い服を着せましょう。
    ベビーパウダーには、汗を吸着して皮膚を乾燥させる働きがあるので、あせも予防に効果がありますが、使用にあたっては注意が必要です。
    赤ちゃんにつけるとき、大人の手のひらにパウダーを少し取ってから余分な粉を払い落とし、赤ちゃんの肌に薄くつけてあげましょう。
    パフを使うと、大量に粉がついてしまうので、使わない方がよいです。
    ただし、あせもができているときは、ベビーパウダーが汗腺をふさいでしまい悪化させることがありますので、使わないほうがいいでしょう。